こたえはきっと心の中に act2
「跡部と付き合ってるんやて?」
次の日
部活中にさっそく声をかけてきたのは忍足侑士
「あ、忍足侑士」
「ええ加減フルネームで呼ぶのやめ」
「いいじゃん」
飽きれる忍足侑士を横目に今日のスケジュールを紙で確認しようとしてふと気づいた
ていうか・・・・・
「なんで知ってるの?」
昨日の出来事のはずなのになんでもう知ってるの?
それに、あの跡部が自分から言うとは思えな・・・・
「跡部が言うてたで」
「・・・・・・」
・・・・・あいつか
それよりも”部室で・・・”って忍足侑士の言葉を聞いてわたしは驚いた
「部室で?ってことは、みんなも知ってるの!?」
ちょっと声が大きくなったわたしに少しびっくりした顔してた
「あぁ。もうレギュラーはみんな知ってんで」
じゃあ・・・・あいつにも
忍足侑士の後に続くようにレギュラーが次々やってきた
「なーなー、跡部と付き合ってるんだって?」
岳人が好奇心むき出しの瞳でわたしに聞いてくる
同じセリフ、ついさっき忍足侑士から聞いたばっかり
わたし自身、昨日の今日で全然実感ないのに、周りが騒ぐから嫌でも実感させられる
やっぱり大変な人と付き合うことにしちゃったんだな・・・
しばらくいろいろ言われそう・・・・・
頭痛いわ・・・・
「あーうん・・・・」
「なんや、その気のない返事は」
「別にそんなことないよ」
気持ちが追いついてない自分と
反対に、一日もたたないうちに周りに知れたということで
気疲れしてしまった
そんなとき
ふと
宍戸と目が合った
「よぉ」
「あ、うん」
いつも通りの短い会話
・・・宍戸・・・
わたしの密かな想い人
跡部に告白される数か月くらい前から
徐々に想いが重なっていって
いつの間にか好きになっていた
でも気持ちは伝えてない
いつもと変わらない笑顔で接してくる宍戸に笑顔を返し
そのままコートの方へ足を運んだ
レギュラーの中で宍戸と一緒にいる時間が一番長かった
家が近いっていうのもあるから、部活帰りに2人でファミレスでご飯食べ行ったりもしてた
一番話しやすくて
ずっと好きだった人・・・・
宍戸は女の子と話すのが得意じゃない
特に初対面の人とは
だけど
わたしとはよくしゃべるし、趣味も似てるからか
向こうからも話してくることが多かった
授業中メールもよくしてたし
「遅刻した」とか
「腹減った」とか
そんな他愛もないやりとり
他のレギュラーとも連絡とりあったりするけど
一番頻度が高かったのが宍戸だった
だから、少し自惚れてた
もしかしたら
もしかしたら宍戸もわたしのこと
好きなんじゃないかって―――――
でも自分から気持ちを伝えることはできなくて
フラれたときのことを思うと一歩が踏み出せない
自分が傷つきたくない
その想いのが大きい
臆病なのはいつになっても直らなくて
こんな弱虫な自分がなさけなくて
ダイキライ
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わりと早く続きが書けました
実はずっと宍戸のことが好きだったヒロインにしてみました
この先どうするのかまったく決めてません(笑)
続き書いたときの気分で決めます・・・・
2014年6月