わたしには付き合ってる人がいます
彼のことは大好きだし大切にしたいと思う
だけどわたしは
今でも心の底で違う人のことを想っている
わたしは
サイテイの人間だ―――――――
こたえはきっと心の中に act1
「俺と付きあえ」
そんなことを言われたのは高校1年のときだった
有無を言わさない一方的な言葉
いつもと変わらない俺様な言い方
「・・・・・え?」
一瞬、何を言われてるのかわからなくて、あんぐりと口を開けたまま固まってしまった
「何、アホ面してやがる」
付き合えって・・・
・・・・いやいや
まさかねぇ
あの跡部がわたしに告白?
ありえないから
一瞬でもそんなことを考えた自分があほらしい
「どこに?」
「・・・本気で言ってるのか、お前・・・・」
気を取り直して跡部が求めてた返事を普通にしたつもりだったのに
その途端、跡部が眉間にしわを寄せた
こわ・・・・・・
さっき一瞬告白?って思ったその考えは次の瞬間には消え去ったのに
跡部が
まさか、あの跡部が本気でわたしに告白してくるなんて思ってもみなかったから
再びその言葉を理解するのに数秒かかってしまった
ていうか、命令形で告白してくる人なんている?
・・・まぁ、目の前にいるけど・・・
わたしは中学のころからテニス部のマネージャーをやっていて
レギュラーのみんなとは結構仲がいい
それは跡部も例外ではない
みんな仲がよくて、みんな友達だと思ってた
誰にも言えない、心に秘めた想いを隠しながら
ずっとみんな仲のいい友達でいたい
この関係を崩したくない
想いを伝えて今の関係が壊れてしまうくらいなら
断られたらきっと、立ち直れない
それなら
このままでいい―――――
そう
想っていたのに
「で、どうなんだ?」
「・・・・跡部・・・・」
今まで恋愛経験ゼロのわたし
もちろん今まで好きになった人は何人かいる
生まれて初めて告白した人にはフラれ
次に好きになった人には気持ちを伝えることなく彼女ができた
それ以来
わたしは好きになった人に気持ちを伝えて断られることが怖くて
告白する勇気もなく、気持ちを伝えて悲しい想いをするなら今のままがいいと思って
好きな人ができても想いを伝えることなく今を過ごしている
「とりあえず付き合ってみろ」
なかなか言葉を発さないわたしに苛立ったのか
跡部が切り出した
なんでわたしなの?
跡部ならもっと可愛い子と付き合えるでしょ
いつも跡部のそばにいる女の子もたくさんいるし・・・・
わたしの頭の中はクエスチョンマークで埋め尽くされた
そして一番の疑問
「なんで拒否権ないの?」
「生意気に拒否する気かよ?いいからとりあえずつきあえ」
「・・・・・・」
頭の中の問題は解決されないまま
わたしの想いを聞くことなく強引に
なぜか交際はスタートした
・・・恋愛ってこんな風に始まるんだっけ?
恋愛初心者のわたしにはよくわからない
跡部のことは嫌いじゃない
話してて楽しいし、俺様な性格だけど
意外と世話好きで優しい
でも今まで恋愛の対象には入ったことがない
それなのに付き合うことになってしまった
そりゃあ付き合ったりするのは自分の意思だから断ることもできた
だけど、それよりもわたしは違うことを考えてしまっていた
レギュラーみんなでワイワイと部活したり遊んだりするのが楽しかったから
ずっとみんなと友達という関係を築いていきたかったから
もし
今跡部の返事を断ったとしたら、跡部が気を使ってこれからレギュラーで集まるときにも顔を出さなくなるのが嫌だったから
レギュラーみんなで集まるのが好き
誰か欠けるのも嫌だ
そんな理由
そんなことを考えてしまうわたしは、本当に最低の人間だと思う
どうしてあの場で断ることができなかったんだろう
そうしたら傷つけずに済んだかもしれないのに
どうしてわたしは、こんなにばかなんだろう
<NEXT>
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うわー
久しぶりすぎるドリームです
サイトはひそかに復活してたけど、実際書いたのなんて10年弱ぶり?(笑)
復活させてみました。
まぁ波があるので、また飽きるかもしれませんが(笑)
いまは楽しいので書いてます
何年たっても、やっぱり跡部がすきです(笑)
この話、どうやって進んでいくんだろう・・・・・
2014年6月