あなたにはじめて会ったのは、確かテニス部の部室だった

その時は、かっこいいとは思いつつ それ以外に特別な感情は抱かなかった


きっとあの時だ

急に芽生えた『好き』という感情

恋をするのはいつも突然

それは私も例外ではなかった


そのときから

あなたに触れたい 愛されたい


お願い――

 あなたの瞳に私を映して



そんな感情が少しずつ増えていった









   
私の瞳に映るもの <前編>












、授業中寝るなよ。」

「寝ないよ〜だ。」

「お前いつも寝てるってウチのクラスでも有名だぞ。」

「うるさいな、聡っ!! もう自分のクラスに戻ってよ!」

いつも私をからってから自分のクラスに戻っていく聡の背中を見送ってから、自分のクラスへ入る






「はぁ〜っ。」

「おはよっ!今日も朝っぱらから痴話喧嘩?」

席に着くと同時に、すでに登校していたが私の所に寄ってきた

「そんなんじゃないってば・・・・・・・。」

ため息交じりに返事を返すと 私の周りに何人か女の子が群がってきた


ちゃんって、土屋君と付き合ってるの?」

「聡君と幼馴染なんだって?」

「土屋君ってお弁当のおかずで 何が好きか知ってる?」




また始まった  朝っぱらから・・・・

毎日のように繰り返される会話

どうして私に聞くのよ

本人に直接聞けばいいじゃん!!

最初は律儀に答えてた私も、さすがに同じような質問を何回もされては答える気もなくなる

「・・・・・・さぁ?」

と適当に返事をしてこの場をやり過ごす

隣ではが苦笑してた

笑ってないで助けてよぉ〜〜





今話題にでてきた、土屋聡と私は幼馴染

家が近くて、幼稚園からずっと氷帝に通っている

朝が苦手な私を、いつも引っ張って学校に連れて行ってくれるいい奴

別に付き合ってるわけじゃない

だけどどうしても一緒にいる時間が多くなってしまう

だから周りからは「二人って付き合ってるの?」ってよく聞かれる

しかも聡ってモテるんだ

何か知らないけど、中学に入ってからというもの、急にモテるようになった

サッカー部なんて入ってるから余計かな

私の方が高かった身長もいつの間にか追い越され、高かった声がいつの間にか低くなっていた

私が見ても大人っぽくになったな と思う



ずっと一緒にいたから、もう生意気なお兄ちゃんって感じに見てる

あ、私の方がお姉ちゃんかも(笑)






「あ、今日って放課後予定ある?」

聡の事を聞きにきた女の子達が席を離れてから、が思い出したように私に尋ねる

「ううん。別にないよ?」

「本当? ・・・・・・あのさ、一生のお願いっ!!今日一日、テニス部のマネージャーやってくれない?」

「はぁぁ!? 何で?」

いきなりの発言に目を丸くした




テニス部〜!??

あの、いつもギャラリーがキャーキャーうるさい所に?

その中では三年間 男子テニス部のマネージャーをやっている

「うちのマネージャーの事情は知ってるでしょ? 昨日また一人やめちゃってさ・・・・」

テニス部の男子はモテるらしく、少しでも彼らに近づこうと マネージャーの応募が後を絶たないんだけど、想像以上にキツイらしくて すぐやめちゃうみたい

それでよくはマネージャーなんて続けられるよなぁ


「しかもテニス部の人数知ってるでしょ?? とてもじゃないけど今の人数じゃ全部回れないのっ! お願い!!」

手のひらを合わせて私に頼み込んでくる

「・・・・でも榊先生なんでしょ?監督って。いきなり私なんかがやっていいの?」

榊先生は厳しいから、簡単にマネージャーなんてやらせる訳ないと思ったんだけど・・・・・

「それは大丈夫。もう言ってあるから。」

予想外の答えが返ってきた

早っ!!

何て行動の早さ

え〜!!と、露骨に嫌そうな顔をする私に

「ほら、帰りに抹茶パフェおごってあげるからさっ。」

ん? 抹茶パフェ?

しばらく私の頭の中で、抹茶パフェとマネージャーが闘っていた

が、どうやら抹茶パフェの方が今の私には大事みたいv

がここまで必死になって頼むのも初めてだし・・・・

「・・・・しょうがない。やってあげるか・・・・・・。」

「本当!?ありがと〜!!」

ため息をついたものの 私の頭の中は抹茶パフェでいっぱいだった








放課後



―っ。早く行こ!!」

私がのんびり帰り支度をしてる所へ一目散にきた

「あ〜うん・・・。」

やっぱり嫌かも

でもしょうがない・・・

抹茶パフェにつられた私がいけないんだもん

「何? その気のない返事は。」

「そんなことないって・・・・・。」

「・・・そう? じゃぁ行こ〜っ!!」

元気だねぇ 

そう思いつつ しぶしぶの後をついていく




「うわぁ〜。今日も人がたくさんいるなぁ。

さて、がんばりますか!!」

そして着いたテニスコート

案の定、そこは ギャラリーでいっぱいだった

黄色い声があちこちで飛び交ってる


その光景に私は絶句した

想像はしてたけど やっぱすごい人・・・・・

それでもに手を引っ張られ、部室に連れてこられる

何かここに来るまでで疲れた・・・・・





「今日臨時にマネをしてもらうことになったちゃんだよ。よろしくね〜。」

部室にいた人達に向かってが私を紹介してくれる

それと同時に軽く背中を押されて、慌てて挨拶する


です。・・・・よろしくお願いします。」

ペコっとお辞儀をすると、いろんな方向から声が飛んでくる

「俺は忍足侑士や。そんなかしこまらんと、気軽にがんばりや。」

「俺は向日岳人だ。ちょっとキツイかもしんねーけど、がんばれよ。」

「鳳長太郎です。でも先輩が連れてきたんだから大丈夫ですよ。」

「宍戸だ。ま、がんばれよ。」

「・・・・・がんばれ〜」



誰が誰だか分からない私に みんな丁寧に自己紹介してくれる

そういえばの担当はレギュラー専属のマネだったんだよね・・・・

じゃあ、ここにいる人がレギュラー・・・・

一度もテニス部を覗いたことのない私は、名前を言われても「はぁ。」と頷くしかなかった

外で見てるファンの子がここにいたら失神するかも

なんて余計な事を考えていたら、折角みんな自己紹介してくれたのに、名前と顔がこんがらがっちゃった

やばい・・・・ えっと、忍足君、向日君・・・と

一人一人心の中で顔と名前を確認していく

それでなくても人の名前覚えるの苦手なのにぃ・・・・






「そ〜いえば跡部は?」

一生懸命名前を覚える所から始めている私の後ろで、が辺りを見回して、姿が見えない跡部って人の事を忍足君に尋ねた

「あぁ、生徒会の仕事で少し遅れるらしいわ。」

ん? 跡部・・・・・って誰だっけ?

名前は聞いたことあるなぁ

確か前にが・・・・何て言ってたっけ?



・・・・・あ、そうだ 思い出した

「跡部って・・・・我侭で俺様ですごく自己中な人だよね?」

この私の言葉に、部室にいた全員が一瞬固まった

その後、ハハハ と苦笑いしながら忍足君が近づいてきた

ちゃん・・・・それは言いすぎやて。 まぁ、当たってんねんけどな。」





「何が当たってるって?」



ガチャ と部室のドアが開く音がしたと同時に、眉間に深くしわを寄せた男の人が立っていた

その後ろには 背もガタイも大きな人がいた

「跡部・・・・・今日はえらい早いやん。」

「うるせえ。」

忍足君と短い会話を交わし、私に近づいてくる


「お前か、今日マネージャーするって奴は。」

何コイツ

人の事ジロジロ見て・・・・・

そして、フッ と人を見下したような笑い方をした

何かムカツク

の言ってたこと・・・・本当だ

まだ名前は聞いてないけど、こっちの偉そうな人が跡部景吾って人だ 絶対

我侭で俺様で自己中な人が「ウス」しか喋らないなんて事ないもん


・・・でも、かっこいいじゃん

あんま認めたくないけど

そう・・・・性格がこんなんじゃなきゃねぇ



「黙ってればかっこいいのに・・・・・。」



と 心の中で思っただけだったのに・・・・・

気づいたら 思わず口に出てしまっていた


慌てて口を押さえるが もう遅い

私の発言に またまた他の部員達は顔が青ざめてる

まるで 何て事を言うんだ っていう感じの顔つきで私を見る

まで「えっ・・・」って顔して私を凝視する

跡部君も見下したように笑ってた顔の眉間に またしわを寄せた


怖い〜〜っっ 助けてぇ

そしたらまた フッ と笑った

・・・・へ? ここって笑う所?

「ハッ、お前おもしろいな。 ま、せいぜいがんばれよ。」

そういい残して更衣室へと消えていった

偉っっそう〜〜

でも怒られなくてよかったぁ・・・・










   *




「・・・・で、何で私まで行かなきゃいけないの?」



 次の日



あの一日でテニス部との関係は終わったと思って喜んでたのに

もうあの日は最悪だった・・・・・

ボールの出し入れに、休憩時間はタオルとドリンクを配って、それから怪我人の手当てと・・・・・

一日で一週間分働いた気がする

おかげで今日は筋肉痛だし・・・・

こんなんでよくはマネージャー続けられると 改めて関心するよ


「いーじゃん。みんなまたと喋りたいんだってさv」

そう言ってが向かうのはテニス部の部室

どうして私まで?

はテニス部と免疫があるからいいけど

私は一回会っただけだし


それに・・・・・

あの跡部君にあんな事言っちゃって・・・・・・正直もう会いたくない

嬉しそうに歩くの後ろから、ため息をつきながら ついていく

片手には購買で買ったパンとジュースを持って





そしてついた部室


中からはガヤガヤと声が聞こえる

あぁ、帰りたい・・・・・

そんな思いもむなしく、が勢いよくドアを開ける



「おー、ちゃんにちゃん。遅いやん。」

「もう食ってるぞ〜。」

「ウス。」


すでに集合していたレギュラー達から一斉に声がかかる

「ごめんごめん。」

そう言って、ちゃっかり宍戸君の隣に座ってる

は宍戸君に片思い中

でもなんかいい感じに見えるのは気のせい?

は積極的だから、すぐ行動に移せる



ちょっと〜私はどうすればいいのよぉ

少しはみんなと喋るようになったけど、ほど仲がいいってわけでもない

あ、そういえば・・・・・・と

キョロキョロ見渡すが 最も会いたくなかった跡部君の姿はなかった

そうだよね あんな人が来るわけないよね

よかった

安心してホッと胸を撫で下ろしたのもつかの間



「誰か探してるのか?アーン?」


私の後ろから声がした

この声は・・・・この口調は・・・・・・

「跡部・・・君?」

ゆっくり振り返り姿を確認する

あんたに会いたくなかったんだよ・・・・・

「何で疑問系で返すんだよ?」

「だって跡部君がここに来ると思ってなかったから、ちょっと意外というか何と言うか・・・・」

いてほしくなかったというか・・・・・(これが本音)

「別に来たっていいだろ? そんなに以外か?」

「・・・・まぁ。」



「本当はお前に会いたかったんだ」

「・・・・・・・は?」

いつになく跡部君の真剣な顔に、急に体温が上昇する

私に? どうして・・・・・・?

いきなりの発言に戸惑っていたら

「・・・とでも言ってほしかったのか?」

ククッと笑われた


からかわれた〜っ!! ムカツク〜!!

でもいつものように人を見下したようではなく、素直に笑ってる感じだった

「会って間もない人をからかうなんて。性格悪いね・・・・・」

「あ?別にからかっちゃいねーよ。会いたかったのは事実だぜ?」

「へ?」

「初対面であれだけ俺様に言いたい放題言う奴は初めてだったからな。」

まだ根に持ってたのね・・・・・

忘れてくれていいのに


「だって本当の事じゃん。」

「お前・・・・。そういう事言うんだな。」

「・・・・え?」

急に手が軽くなったと思ったら、今まで手に持っていた袋を跡部君に取られていた

「私のご飯っ!!」

「うるせえな。もうこれは俺のだ。」

「は? なんでそういう事になるのよ!返しなさいよ!!」

「知らねぇ。」

知らねぇ? なんてことを言うの・・・

私のご飯はどうするのよっっ!

「あんた自分のあるんだから、私のとったってしょうがないでしょ?」



後ろで私と跡部君とのやりとりをみていた忍足君と宍戸君が、やれやれって顔して

「子供やなぁ。」

「あぁ、そうだな。」

と、会話してるのが聞こえてきた

何オヤジくさい事言ってるのよ〜

この我侭男をなんとかしてよ〜!!

あんた達の部長でしょぉ!?


「気が変わった。こっちが食いたくなった。お前こっち食え。」

そういって渡されたのは、なんとも言えない豪勢なお弁当・・・・・

見たことない食べ物もたくさん・・・

これがお弁当ですか・・・・??

跡部君はいつもこんなの食べてるの?

そういえばすっごくお金持ちなんだっけ・・・・

「・・・我侭〜っっ!!」

そう言ってはみるものの、返してくれそうにない

跡部君でも購買で売ってるパンなんか食べるんだ・・・・

って、そんな事どうでもいいよぉ

勝手に袋を開けて食べてるよ・・・・・

もういいっ!! こうなったら跡部君のお弁当全部食べてやる〜

観念して跡部君のお弁当を広げて食べ始めた


「んっ!!すっごくおいし〜何これ??」

たくさんあるおかずの中から、とりあえず食べなれてる玉子焼きを箸でつかんで口に入れた

「当たり前だろ。」

いつの間にか私の隣に座っていた跡部君が口を挿んだ

当たり前・・・・・なのかなぁ

「これ跡部君が作ったの?」

「んな訳ねーだろ。」

「だよね〜。」

「なんだ、その納得の仕方は。」

「だって跡部君って料理できそうにないもん。」



あ・・・・またやっちゃったよ

何とかしたいものだなぁこの口の速さ・・・

怒っちゃった・・・・・よね?

チラッとおそるおそる跡部君の方を見上げた

「お前・・・・本当にはっきり言うな。」

あれ。そんなに怒ってなかったみたい

眉間にはしわが寄ったままだけど

「はぁ、すみません。」

「ま、そういうところ嫌いじゃねぇけどな。」


え? 嫌いじゃない?

私、跡部君には絶対に嫌われてると思ってた

嫌いじゃない と言われて少しホッとする自分がいた



え・・・・・私何安心してるの?



無言でパンを食べている跡部君の横顔を見た

私の視線に気づいたのか、跡部君も私の方を見返した

「何だ?」

「べっ、別に・・・・・」

視線が合った瞬間、胸が高鳴った

何・・・・この気持ち

跡部君と視線を合わせてるのが急に恥ずかしくなって、思いっきり逸らしてご飯を食べる

今まで平気だったのに、何で急に目があっただけで鼓動が早くなるの?

そんな私を見て、クッと笑いながら自身満々にこう聞いてきた・・・・・

「お前、俺に惚れたか?」

はっ?? いきなりなんてこと言うんだコイツは・・・・

そうとうな自信家というか・・・・とにかくっ!!

「馬鹿じゃないの?誰があんたなんかっっ!!!」

「どうだかな。」

そう言うと、急に立ち上がって忍足君の方へ行った

もう食べたんだ 早い・・・・・



「おい、少し打とうぜ。」

「なんや、跡部。今日はずいぶんやる気やな。」

「いいから早く飯食え。先行ってるぞ。」

それだけ言うとラケットを持って部室を出ていった

「はよ食べな、怒られてまう。」

忍足君は、跡部君が出て行った後で、急いで残っていたお弁当を平らげていた




ご飯も食べ終わってお腹もいっぱいになった頃、が待ってたかのように私に声をかけてきた

「ねー、外に見に行こうよ。」

「どうして? 宍戸君はいいの?」

てっきり部室にみんないると思って周りに聞こえないように こそっと喋ったのに、は大きな声で返してきた

「何言ってるの?もうみんなとっくに外行って打ってるよ。」

えっ・・・・・?


そういえば周りが静か・・・・・

と見回すと私と以外誰もいなかった

あれ?・・・・いつの間に

「本当にボーっとしてるんだから。みんな軽く打ちに行ってるから私達も見に行こう。」

「え・・・・え?」

どうして私も行かなきゃいけないの〜

と言う暇もなく手を引っ張られて、コートまで連れ出された






「あ、いたいた。やっぱ宍戸かっこい〜なv」

早速宍戸君を見つけて、じ〜っと見てる

それが目的か・・・・・

宍戸君は、慈郎君とシングルスをやっていたが、の視線に気づいて一瞬振り返り、それに答えるように小さく手を掲げた

なんだ、やっぱりこの二人いい感じじゃん

はそこから動く気配がなかったから、私は一人でコートの周りをゆっくり歩いて他の試合を見学した



今の時間は放課後とは違って、女の子もいないからゆっくり見れる

今度から誘われても、この時間なら一緒に来てももいいかも・・・・

放課後はとても見られる状況じゃないから嫌だけど

この前はマネージャーの仕事が忙しすぎて、いちいちみんなのプレイを見てる暇もなかったからなぁ



あ、跡部君だ

一番奥のコートで跡部君と忍足君が打ち合ってるのが目に入った

なぜか自然にそのコートへと足が進んでいく

近くでしばらく二人の試合を眺めていたら、忍足君が私に気づいたみたいで、試合の途中なのに大声で私を呼んだ

「おー、ちゃん!!俺の応援してくれるん?」

私にニコッと笑いかけながらも、跡部君とのラリーは続いてる

す、すごい・・・・・


「忍足、余所見してんじゃねぇよ。」

跡部君も、いつものように余裕の表情で打ち返す

「あ。二人ともがんばって!!」

とりあえず両方とも応援しながらベンチに座り込む


それにしても跡部君ってすごいなぁ

綺麗なフォーム

さすが氷帝の部長だけある

二人の試合から目が離せない

それより、跡部君のプレイから目を逸らすことが出来ない・・・・・


どうして?






「ゲームウォンバイ・跡部。ゲームカウント6−3!!」


「・・・また負けてもうた。やっぱ跡部は強いなぁ。」

「たりめーだ。」

そんな会話をしながら跡部君が真っ直ぐこっちへやってくる

忍足君は、まだ試合をしてる宍戸君と慈郎君の試合を見に行った




、タオル。」

私と視線を合わせながら名前を呼んだ瞬間、鼓動が早くなるのを感じた


・・・・へ?

私??

それともって名前のマネージャーでもいるのかな

キョロキョロと周りを見るが私しかいない

「おいっ!一回で分かんねーのか?」

跡部君の目は明らかに私を見ている

「私?なんで?」

「いいからよこせよ。」

言うが早いか、持っていたタオルを強引に奪った

「跡部君・・・今名前・・・・」

呼んだよね? って・・・・

「あん?お前って名前なんだろ?」

「・・・・そうだけど。」

「じゃあいいじゃねぇか。」

フッと笑って、そのまま部室へ去っていく跡部君の背中を見続けていた


・・・どうして名前で呼ぶのか聞いたんだけど

どうしてだろう 悪い気がしない

むしろ・・・・嬉しい 気がした


どうしよう




私・・・・・・跡部君の事好きになっちゃったみたい








                                  


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短編にするつもりだったのに、少し長くなっちゃったので前編・後編に分けてみました。

すみません。

後編はだいたいできてるので、近々UPできると思います。

少々お待ち下さい m(__)m


 2004年7月22日  茜