act2 〜放課後の出来事〜
「の馬鹿〜〜。」
「そうだそうだーー。」
授業が終わると同時に 私の席に駆け寄ってきて文句をいってくる奴は・・・・・愛と可奈
「うぅ・・・・すみません」
怒られる理由・・・・・・ それが分かってるからひたすら謝る
今の私の席は 窓際の一番後ろから2番目
窓際っていいよねvv 後ろの方になれてよかった
うちのクラスの席替えはくじ引きで決めるから
愛なんてアリーナだよ(ど真ん中の一番前) カワイソウ(でも他人事)
後ろの席なら教科書を盾にして漫画読んでられるしねっ
でも油断してると
・・・・・・寝ちゃうんだよね・・・・・・
「・・・・・。っ。」
遠くから可奈の声がする
ふぇ?? いい気持ちで寝てるんだから起こさないでよ・・・・・
「・・・・・・な〜に?」
机に伏せて寝ていた頭を少しかったるそうに起こし返事をすると、続けて後ろの席の可奈から声がかかった
「あんた、さっきから当たってるよ。」
「・・・・・・・・は?」
気づいた時にはすでに遅し
「3年になってまで授業中に居眠りするとは・・・・・・、今日居残りだぞ。」
「・・・・・・・・ハイ」
最悪〜!! よりによって一番厳しい先生の授業で寝ちゃうなんてっ
今日は午前授業だから 午後は可奈と遊びに行こうね! って・・・・・
さっき約束したばっかだったのにぃ〜〜
愛も誘ったけど、今日は宍戸が久しぶりに部活休みだからデートするらしく、今日は可奈と遊びに行く予定・・・だった
愛と可奈が そろってため息ついてる
はぁ〜〜 私もため息ついちゃうよ
「それにしてもよくこのクラスで寝れるよね。」
「そうだよね、このクラスの女の子なら いくら退屈な授業でも寝ないって。ま、でもだしね。」
「そうそう。」
「私だし・・・・ってどういう意味よ!!」
ケラケラ笑いながら2人で顔を見合わせてる
そんな2人を少し睨むように見上げる
「この席になってみなよ。嫌でも眠くなるから!! 」
「「それでも寝ない!!」」
見事に二人の声がハモった
「・・・・・・どうして? 眠かったんだもん。」
少しムッとして聞き返す
別に聞き返さなくても 2人が言いたかった事は分かる
このクラスには あの 跡部景吾がいるのだ
彼の席は私とは正反対の廊下側の一番前
氷帝1かっこいい男と同じクラスになったら 女の子としてはそんな醜態見せたくないものだ
・・・・・そういうもんかなぁ
確かに好きな人が近くにいるなら 少しでもかわいく見られたい 綺麗でいたい と思う
でも、なんであんな奴の為に自分を偽らなくてはいけないのか その方が私には疑問だった
そんな事言ってもこの2人には通じないんだろうけど・・・・・・
それに授業中に居眠りが先生にバレた時、ふと視線を向けたら跡部と目が会ってアイツは人を見下したような笑いを私に向けて、すぐ視線を前に戻した
何なの? あの俺様めっ!!
1回も喋った事ないのに、あんなにムカつくと思う人は 跡部景吾が最初で最後だ きっと
「・・・・・という訳で今日は遊びに行けません。」
ごめ〜ん と掌を合わせてあやまる
「分かったよ。 じゃ今日はやめてまた今度3人で遊ぼう。」
「オッケ〜v」
快く承諾してくれた愛達の後ろのドアから 宍戸が顔を覗かせた
そして愛の姿を確認して声をかけた
「愛、帰るぞ。」
「あ、亮。今行く〜! じゃあまた明日ねv」
私達にヒラヒラと手を振って 愛しの彼の元へ走っていく
「今日は久しぶりに愛の行きたい所連れてってやるよ。」
「本当? じゃあね、この間 駅前に新しく出来たファミレスのパフェ食べに行きたいな〜。」
「パフェかよ・・・・・。 しゃーねーな、行くか。」
「そうこなくっちゃvv」
教室の入り口でそんな会話をして2人仲良く帰っていった
宍戸の奴、普段なら絶対あんな顔しない・・・・ ってくらいにすごい優しい笑顔を愛に向けていた
彼女の特権ってやつか・・・・・・
「ラブラブねぇ〜。」
「ホント・・・・・。私も武の所に行こうかな・・・。あ、今日部活あるって言ってた・・・。」
後で行ってみよう と可奈が1人で頷いてる
なんだかんだ言ってもみんなラブラブだねぇ・・・・・・・
はぁ と小さくため息をつくと それを聞かれていたのか、可奈が
「早くも 私達の前でラブラブしてねv」
と言いながら 鞄を持ち、立ち上がって 私に
「じゃぁ居残りがんばってv」
そう言って教室を去っていった
あ、やっぱ先に帰っちゃうのね・・・・・・・ 私が悪いんだし、待っててとは言えないよね
二人を教室から見送って一人、先生から言われた 『今日の復習』 をやり始めた
やっと終わった〜〜っ
まぁ苦手な教科じゃなかったから早く終わったけど・・・・・
本屋でも寄って帰ろうかな 何か新しい漫画でてるかもv
私はいつもの道より 少し遠回りして帰る事にした
しばらく歩いてると ポーン ポーン とテニスをしてる音が聞こえてきた
ここはストリートテニス場があって たまにこっちから帰ると、いつも階段の上からボールの音が聞こえてくる
「・・・・・・桃ちゃん??」
ストリートテニス場へと続く階段を横切ろうとしたら、よく知ってる人が階段で息を切らして座っていた
「あれ、じゃね〜か。 何やってんだこんな所で。」
「ちょっと居残りを・・・・・って。桃ちゃんは何やってたの? そんな息切らして。」
ランニング? にしては制服だし・・・・・
桃ちゃんは私の1つ下で 青学に通ってる
昔住んでた家が隣同士で 小さい頃よく遊んでたんだ
私が中学に上がる時に今の家に引越してきちゃったけど、今も普通に遊んだりしてる
そして、実は可奈の彼氏だったりもする
「いや、ちょっとひったくり追ってたらコイツに会っちゃってさ。」
「コイツってなんだよ、人のチャリ乗っていきやがって。」
「だから少し借りただけだろーが。」
桃ちゃん同様、息を切らした人が桃ちゃんの発言に口を挿んだ
「桃ちゃん、誰?」
「あぁ、不動峰中の神尾ってんだ。こっちは氷帝に通ってる。俺の幼馴染。」
不動峰・・・・・って事は
「氷帝ってあの?・・・・・」
「杏ちゃんのトコロの・・・・?」
私は神尾君と同時に口が開いたので あまり神尾君の言葉を聞き取れなかった
一瞬二人とも会話が止まったけど、先に喋ったのは神尾君だった
「ちゃん、杏ちゃんを知ってるの?」
「神尾。何勝手にの事 名前で呼んでんだよ。」
今度は神尾君の発言が気に入らなかったのか、桃ちゃんが少し ムスッとしながら神尾君に話かけた
私は別にどっちでもいいんだけど・・・・・・
と言おうと思ったら階段の上から声が聞こえた
「何よ、あんた達!! 放して!!」
「「「?」」」
今のは どう考えてもテニスをやってます〜 って感じの声じゃなかったよなぁ・・・・・・
「今の声!?」
そう言って神尾君は階段を駆け上がっていった
「あれっ・・・・・そういやこの場所って・・・・・。」
ストリートテニス場じゃん と呟いた
桃ちゃん・・・・・気づくの遅すぎだって
そう思いつつ、神尾君の後をついていくように 2人で階段を上がっていった
「おいおいそんなに騒ぐなって。そっちが約束したんだろ? そいつらを全員倒したら・・・あんたがデートしてくれるって」
階段を上りきる手前でこんな声が聞こえてきた
・・・・・・ん? 今の声どっかで・・・・?
「やっぱり杏ちゃん!!」
「あれ、橘妹じゃん。」
本当だ 杏ちゃん じゃあさっきの 『放して!』 って声も・・・・・あれ、杏ちゃんに誰か絡んでる
あっ!! 見間違えるはずがない アイツは・・・あの男は・・・・・・・
「跡部景吾!!!」
思わず指差して叫んでしまった・・・・・
何でアイツがこんな所にいるの? うちのテニス部って毎日のように練習があるんじゃないの?
「何だ? 、知り合いか?」
桃ちゃんが跡部と私を見比べながら 不思議そうに尋ねてくる
「あ・・・・・うん。ちょっとね。」
とりあえず言葉を濁して言ったが・・・・・ 嫌〜っ 知り合いなんて思われたくないよ
そんな思いも虚しく跡部が話しかけてきた
「アーン? ちょっとじゃねえだろ?。」
はい・・・・ちょっとじゃないです・・・・・クラスメイトです
っていうか私の名前知ってたんだ・・・・・
「神尾くん!!・・・・・モモシロ君にちゃんまで。」
「杏ちゃん、久しぶり。」
私は 跡部の事なんて完璧無視して杏ちゃんに近づいてった
杏ちゃんとは このストリートテニス場で知り会った
もともと桃ちゃんと杏ちゃんは知り合いみたいだったけど
中学に入ってからテニスにすっかりのめり込んでしまった桃ちゃんに連れられて よくここでテニスやってる
そのときに杏ちゃんが来て 桃ちゃんに紹介してもらったの
それからは すっかり仲良くなっちゃって、よくここで一緒に打ち合いしてるんだ
杏ちゃん結構うまいんだ〜〜
「まだ2人いたのか。」
杏ちゃんの後ろで面倒くさそうに跡部が言った
「何でそんなタンカ切ったの?」
確かに・・・・・いつもの杏ちゃんらしくない どうしたんだろう
「だってコイツら、ストリートテニスを・・・・・・」
言葉を続けようとした杏ちゃんを遮って跡部が口を挿んだ いつものように人を見下したような言い方で・・・・・
「弱者のたまり場 ってか」
カッチ〜〜ン
アッタマきた〜〜っっ 跡部の奴!!!
部活とは関係なく、みんなで楽しくテニスしてる それのどこが弱者のたまり場なのよ
私もよくここで遊んでるのよ!! それも否定されたみたいで頭にくる
学校でも偉そうだけど、今日は いつになくムカつくわ・・・・・・ 本当に何様よアイツは
一発殴ってやらないと気がすまない
一歩 跡部に近寄ったら、先に杏ちゃんが跡部に手を上げていた
杏ちゃんも跡部の発言にムカついたんだろう
おっ、やる〜〜♪
ガッ
でも間一髪の所で跡部に腕を掴まれた
「!!」
「気が強ぇトコも カワイーじゃねぇの。」
「汚い手で杏ちゃんにさわるなーーっ!!」
パチーーーン!!
静寂の中、景気のいい音がしたと同時に 私の右手が跡部の左頬を叩いていた
とっさに身体が動いてしまった というか、自分でもこんなに綺麗に決まると思ってなかった
周りにいた人達は唖然としてる
もちろん桃ちゃんも神尾君も杏ちゃんも・・・・・跡部も
「・・・・・お前、今自分が何したか分かってんのか?」
私に叩かれて一瞬固まった跡部が、眉間にしわを寄せて怖い顔して私を見下ろしてた
ゲッ・・・・・ 世界で一番怒らせてはいけない人を怒らせちゃったみたい
もう生きて帰れないかも・・・・・生きて帰れても明日からは 『俺様で自己中で、学校一モテる跡部景吾を叩いた』 として学校中のみんなから後ろ指指されて、
跡部の親衛隊からはイジメを受けるんだ・・・・・・
あぁ、絶対そうだ・・・・・・
もうっ! こうなったら悔いのないように跡部に一言文句を言ってやる!!
「アンタこそ何言ったか分かってるの? みんな一生懸命練習したりしてるのに それを弱者のたまり場ですって〜!?
少しテニスがうまくて、学校で少しモテるからっていい気になって。 バッカじゃないの?」
・・・・言ってやった・・・・もう悔いはない たとえこの先何が起ころうとも・・・・・・
「ククッ・・・・・・お前 意外と気が強ぇな。そんなに俺様にかまってほしかったのか?」
気が強い・・・・・ あんたと話してると誰でもそうなるって!
っていうか、 『かまってほしかったのか?』 って
どこをどうしたら そういう風に解釈できるのかは 分からなかったけど、そう言うと 跡部は 私の背中に左腕を回して自分の方に グッと引き寄せた
なっ、何?
いきなり強い力で引き寄せられて 思わず足がよろけた
それを跡部はうまく支える
そして空いていた右手で私の顎を捕らえると、真っ直ぐ至近距離で見つめてきた
この光景は傍からみると 恋人同士と見られがちな体制
あまりにも突然の事に、私は言葉も出ないくらい驚いた
跡部にしてみればこんな事は普通なんだろうけど 私にしてみれば今まで男の子と抱き合う事なんてなかったし、まして跡部はこんな性格でも 間近でみるとすごくかっこいい
男の子のクセに綺麗に整った顔立ち 右目の下にある泣き黒子が妙に跡部にあっていて
一瞬思わず見惚れてしまってから ここが公衆の面前である事を思い出し、恥ずかしさのあまり急に体温が上昇した
初めて男の人をこんなに近くに感じた
「こんな事で赤くなるなよ。」
私の顔を見て、跡部が フッと笑った
その笑い方は いつも見ている 人を見下したような笑い方じゃなくて 素直に笑ってる笑い方
・・・・・・そんな感じがした
「お前・・・・・から離れやがれ!!」
それまでずっと黙っていた桃ちゃんが 跡部に近づいて声を上げた
桃ちゃんの声に私はやっと我に返った
いつまでこんな奴に抱きしめられてるの? 私しっかりしろ〜!!
抱きしめられてた腕を思いっきりほどいて杏ちゃんの所まで逃げてきた
「ちゃん、大丈夫? ごめんね、変な事に巻き込んで・・・・・・」
「ううん、平気だよ。 それより杏ちゃんの方こそ大丈夫? アイツに変な事されてない?」
跡部のせいで すっかり赤くなってしまった顔をなんとか抑えようと、努力しながら会話を続ける
「私は平気。それよりちゃんアイツの事知ってるの?」
きたっ この質問!! 答えたくないよぉ〜
でもここまできて、隠す事もできないか・・・・・・本当は言いたくなかったけど
「・・・・・・うん。実はクラスメイトで・・・・・」
私が杏ちゃんに小声で説明している時には、男達の間で本題の話が進んでた
「おい、桃城。お前ダブルスできるか?」
怖い顔して神尾君が1人 コートに入っていった
え? 試合するの?
あっそうか このままじゃ杏ちゃんがあの跡部とデートさせられちゃうんだった!!
すっかり忘れてた・・・・・・ごめん杏ちゃん
それほど私の心の中は整理がついていなかった
どれもこれもみんな・・・・・跡部のせいだ〜〜っっ
「ダブルス?」
「嫌ならいいぜ。」
神尾君が、肩に掛けていたテニスバックを地面に置き ラケットを取り出しながら桃ちゃんに言う
「いーや、得意分野だ。」
・・・・・・そうだっけ??
確かこの前の地区大会で1年生のスーパールーキーとダブルスやって、勝ったけど呼吸がまったく合わなくて監督にこってり絞られて散々だった・・・・・って言ってたような
でも あれだけ自信あるんだから克服したのかな さすが桃ちゃん
「・・・・いいぜ。何人でも同じだ。 なぁ樺地。」
「ウス。」
跡部が大きい人に同意を求めてコートに入っていく
あ、あれが跡部にいつも従ってる『ウス』しか言わないってウワサの・・・・・・樺地君か
「本当に大丈夫なのかよ?」
桃ちゃんにラケットを貸してあげてる玉林中の人達が こそっと耳打ちしてるのが聴こえてきた
確かあの人達と地区大会でダブルスやって散々な目にあったんだったよね?
「大丈夫だって。 2度も試合をしたお前らなら俺の力は十分知ってるだろ?」
「バカヤロー。知ってるから言ってんだ。」
自信満々の桃ちゃんに追い討ちをかけるように玉林の人が言った
ダブルス・・・・・克服してないんじゃん・・・・・・
でも桃ちゃんすごく強いんだ!! 絶対跡部なんかより強いハズ!!
「威勢いいのもいいけど程々にな。」
桃ちゃんが私達に軽くラケットの面で頭を ポンと軽く叩いて、神尾君とコートに入っていった
「はーい。」
今までの行動を少し反省して ここは素直に返事した
杏ちゃんを助けるつもりが 結局桃ちゃんにも神尾君にも迷惑かけちゃったしね
チラッと横目で杏ちゃんを見ると、桃ちゃんに叩かれた所を手で押さえながら、頬を染めていた
「?」
杏ちゃんが頬を染めた意味が分からず 目線をコートに移した・・・・・ら
「おめーらにサーブやるよ。かったりーから一球勝負な。 よーし、後は任せた樺地。」
って言って跡部はコートの真ん中に座り込んだ
どういうこと? まさか樺地君 一人でやらせるつもり?
桃ちゃんすごく強いのよ!? 本気でやらなきゃ勝てないよっ
あっ、跡部達が勝っちゃいけないのか・・・・・・ でもコートに座り込むなんてっ
「ウス。」
樺地君も『ウス』じゃなくて反論しなさいよ〜〜!!
「まただ! またあのデカイの一人でやるつもりだ!!」
コートの外で今までのやり取りを見ていた人達が叫んでるのが聞こえてきた
また・・・・・?
って事は今まで樺地君一人で ここにいる全員相手にしてたって事?
でもっ 相手は桃ちゃんと神尾君!! 負けるはずないわ
「・・・・・え?」
思わず杏ちゃんと顔を見合わせちゃったよ
だってあの樺地君・・・・・すごい・・・・・
二人 対 一人 なのに・・・・・・絶対不利なはずなのに
後衛にいる樺地くんは どんなボールにも追いついてる さすが氷帝のレギュラーだけのことはあるわ
そしたら200人の頂点に立つ部長の跡部はもっとすごいの??
氷帝一有名なテニス部の練習を見た事がない私は 跡部がどれだけ強いかなんて知らない
あっ!!
樺地君、桃ちゃんのダンクスマッシュを返したっ!!
マジで・・・・?
その返されたボールが桃ちゃんのお腹に当たった・・・・・・
「桃ちゃん!!!」
「ああっ モモシロ君!!!」
お腹に当たったと思ったボールは ちゃんとラケットに当たっていた
とっさにラケットの面をお腹にずらしたんだろう
何とか相手のコートにボールが入った
「すごい 執念で返してた!!」
ネット際のボールを取ろうと、ベースライン上にいた樺地くんがすごい勢いで走りこんできた
すごい反射神経・・・・・ ああっ取られる・・・・・・
「やめろ。 もういい樺地。」
突然座っていた跡部が立ち上がって ボールを取ろうとした樺地君に声をかけた
その瞬間 ネット際に駆け寄ってきた樺地君がロボットのように ピタッ と動きを止めた
どうしたんだろう・・・・・ なんで急に試合やめたの?
「今日は負けておいてやるよ。 キサマ名前は?」
「青学2年、桃城武。ヨロシク! そういうアンタは?」
「氷帝学園3年 跡部景吾。 な?。」
・・・・・・どうしてそこで私に同意を求めるワケ?
「そうですね。」
ワザと視線を逸らし ため息まじりに一応返事しておいた
そんな私を見て フッ と鼻で笑って帰っていこうとした
「待てよっ。 不動峰中2年、神尾だーっ!!」
「てめえにゃ聞いてねぇだろ。」
そう言うと樺地君を連れて、階段を下りて帰っていった
「あいつらか。都大会No1シードの氷帝学園。」
「・・・・・・・ヤロウ・・・・・」
神尾君が跡部に対してかなり怒ってるみたい
そりゃそうだよね あんな言い方されちゃあ・・・・・
「おい神尾! まぁ しょげるなよ。」
「ウルセー。 元はといえばテメーのミスで・・・・・・」
「そういえば、ちゃんアイツと同じクラスなんでしょ? なんなのアイツ・・・・・」
思い出したように杏ちゃんが私に尋ねてくる
「そーだ、お前ならあいつらの事知ってんだろ?」
私にアイツの事を聞かないでっ
「知らないっ! 学校でもあんな感じだもん。」
本当に他人事のようにソッポを向いて答えた
「「「ふ〜ん。」」」
それ以上は問いただしてこなかったけど
何をこんなにイライラしてるんだろう
あれもこれもどれもみんな跡部景吾のせいだっ!!
<next>
今回はコミックの6巻とかなりかぶりました。
桃ちゃんを出させようかな〜。とか思ってたらいつの間にか
そんな展開に・・・・。
まだまだ続きます。