Ｍｅｓｓａｇｅ
少しでも早くに会いたいから車を飛ばしたのに、見事に渋滞に引っかかって
高速道路のど真ん中で星空を見上げながらため息をついた
ふと腕時計に目を落とすと約束の時間を過ぎていて
「やばっ・・・・」
渋滞で動けないうちに、急いでポケットから携帯をとりだす
そして慣れた手つきで、に向けて電波を飛ばす
いつでもの名前はリダイヤルで一番最初に出てくるようになってるから
それだけ俺がいつもかけてるわけだけどね
そしていつものように可愛い声で「清純？」って出てくれるのを待っていたけれど
聴こえてきたのは「只今電話に出られません。ご用の方は発信音の後にメッセージを・・・・」
という機械音
約束してたんだから家にいるはずだよね
・・・・まさか怒っちゃったのかな
いつもは必ずと言っていいほど俺の電話にもでてくれるから余計に不安になって
まさか、俺以外の誰かと一緒にでかけてる・・・・・？
なんて一瞬で不安なことばかり頭を過ぎって
そしたらこの渋滞が無性に長く感じて、急いで高速を降りる
裏道に入っても、一直線にの家を目指して走り続けた
制限速度なんて今の俺には見えない
今俺の頭にあるのは愛しいの姿だけ
だけど昨日の喧嘩が頭の中を渦巻いてる
＊
「昨日・・・どこ行ってたの？」
「え、何で・・・・・」
いつものように２人でのんびり過ごしていた午後
突然がその静寂を破った
携帯ずっと繋がらなかったんだけど・・・と小さく呟くの横で
昨日、と言われて一日分の出来事を頭の中で思い出した
朝から普通に学校行って、午後はテニスして
その後はあるお店に寄った
前のデートの時にたまたま見つけた宝石店
ウインドウに飾られたキラキラ光る宝石を「綺麗だね。」と言って見ていた君の方がキレイだなんて
言ったら笑われるかな？
昨日はその宝石店に寄ったんだけど、このことはには言ってない
出来ることならまだ内緒にしたかったのに
でももし見られてたなら言わないわけにはいかないし
と、口を開こうとすると、のため息が聞こえた
「・・・もう、いい。清純の言い訳は聞き飽きた。」
「言い訳じゃないって！ちゃんと聞いてよ。」
「もう、分かったってば・・・・」
「分かってない。いいからちゃんと聞けよ。
だっていつも俺の言い分聞かないで勝手に自己完結しないで。」
その瞬間の顔が曇って
言い過ぎたと後悔してももう遅い
昨日はそのまま険悪なムードになっちゃって、お詫びに今日ドライブに誘ったんだけど
まさか家にいない・・・なんて事はないよね
の前では常にかっこいい俺でいたい
そう思うのは当たり前だけど、そう思っててもうまくいかないのも当たり前
言いたい事も言えないですれ違ってばっかりで
かっこ悪い俺ばっかり見せてるけど
だけど
――― 一番大切にしたい ―――
この気持ちは本当だから
＊
もうすぐの家までたどり着く手前でもう一度電波を飛ばしてみる
今度は２回目のコール音での声がした
よかった、今度は機械音じゃなくて・・・・・
それだけで今までの不安は嘘みたいに晴れていく
その反面、違う気持ちが溢れてきて
早く話したくて、会いたくて、会って抱きしめたくて・・・・・・
「っ、今どこ？」
「清純？ごめんねお母さんの用事で近くに買い物に行ってたから電話出れなかったの。」
「そうなんだ。こっちこそごめん。渋滞に巻き込まれて遅くなっちゃった・・・・」
「ううん、それより今どこ？」
「窓、見てみて。」
窓？とわけが分からないというような声を出しながら
の部屋のカーテンから微かに漏れていた明かりが揺れた
「清純！」
カラ と窓を開けて顔を覗かせたのは、愛しい君の姿
「遅くなってメンゴ！」
「ううん・・・待ってて、今行くから。」
本当にの事が好きなのに、普段はなかなか言えなくて
だからたまには素直な気持ちを伝えなきゃね
ガチャ と鍵の開く音がして、もうすぐ愛しいの姿が瞳に映る
「お待たせ！」
「、こっちおいで？」
俺の突然の言葉に首を傾げながらも近づいてくるに髪をそっと撫でながら
左のポケットに入った小さな四角い箱をぎゅっと握り締めて
君に届けるよ
「Ｉ Ｌｏｖｅ ｙｏｕ」の言葉と共に
KinKi Kids『Massage』
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３時間で仕上げたんですが・・・・・・微妙（汗）
自分で企画しといて、９月に書いたっきりだったから急いで書いてみたんですが
す、すいません、こんなので(>_<)あんまヒロインでてこないし。
年末までに出来たらもう１つ書けたらいいなーと思っております。
まだどれで書くかも決まってませんが（苦笑）
新しいアルバムでたから書けそうなの探してみようかと考え中ですｖｖ
２００５年１１月２０日 茜