Summer Time.
「跡部景吾君、夏休みの予定は?」
「好きな食べ物は?」
「得意な教科は?」
「…うぜぇ」
「まぁまぁ、せっかくだから答えてあげなよ」
私達は今何をしているのか。
それは、つい30分前にさかのぼる…
この日、東京の最高気温は38度。
景吾と買い物に行く約束をしていた日。
さすがに歩いているのが暑くなり、私達は近くのカフェに立ち寄ることにした。
すると…
「あのー、ちょっといいですか?」
「…あん?」
一人の女性が、話しかけてきた。
まるでスカウトウーマンのような服装をしている。
「え?私達ですか?」
「君、かっこいいね。ちょっと今、いいかな?」
これってスカウト?
まぁ景吾って確かにかっこいいから分からなくもないけど…
それから私達はこの女性の質問責めにされている。
写真も撮られたりしちゃって。
さすがの景吾も、飽きてきたみたい。
「えっと、すいません。後どのくらいで終わりそうですか?」
「…え?ああ、ごめんね。デート邪魔しちゃって」
「おい、早くしろ」
「んっとね、じゃあ最後の質問」
「好きな女の子のタイプは?」
「えっ」
ちょっとちょっと、隣に彼女がいるのにそんな質問する?
答えによっては私立ち直れないよ…
すると景吾は、ガタンとイスを引いて立った。
「け、景吾?」
「行くぜ」
「えっ、ちょっ、まっ」
私は景吾に腕を引かれるがままだった。
「こんな奴」
景吾の以外な答えに、私はびっくりするとともに嬉しくもあった。
そしてその女性は私達がカフェから出て行くのを見て、こう言った。
「協力ありがとうねー」
「ちょっ、景吾っ、普通に歩くからっ」
私は景吾に腕を引かれたまま歩いていた。
言うと景吾は腕を離してくれて、2人並んで歩いた。
「ったく、せっかくのデートにあんなのやられちゃ台無しだぜ」
「でもすごいじゃん景吾!あれってスカウトっぽくない!?」
「ま、さすが俺様だな」
「アイドルデビューとかしちゃったりすんの!?さっきなんて写真も撮ってたから、雑誌とかに載るんじゃない?」
私が興奮して言うと、景吾はちょっと間をあけて言った。
「デビューも悪いもんじゃねぇな」
「景吾なら出来そうだよねー」
「でも俺様はデビューしたら、きっとファンが一杯付くぜ?」
「えっ」
た、確かに…
「やっ、やっぱ景吾このままでいて…」
「あん?」
「だって景吾にファンが付くのは嫌ーっ!ただでさえ一杯いるのに!」
「…分かってんだよそんなこと」
「へ?」
掌に、温かい感触を感じた。
「まっ、俺は一生だけ見てるけどな」
「…」
「何だよ」
「…暑いよ景吾」
「こうしてなきゃはぐれるだろーが。ただでさえ人多いだろ」
「うわっ、照れてる〜」
「…」
「ね、景吾っ、あのデパート入ろっ!」
そう言って私達はデパートに向かった。
「はぁ〜涼しい〜!生き返る〜」
「ったく、夏はこれだから嫌いだぜ」
「景吾ってば暑さに弱そうだもんねー。小さい頃から冷房ガンガンの部屋にいたんでしょぉ?」
「常人じゃねぇからな」
「何ソレー!!人を常人扱い!?」
ピンポーンと、エレベーターの着く音がした。
私達はすぐに乗り込んだ。
「狭ぇエレベーター」
「はぁぁ、もう夏休み会える日ないのかなぁ」
「あん?」
「だって部活忙しいんでしょ?」
「そりゃあもう忙しいどころじゃねぇな」
「でしょ?もうどうしてくれんのよ…」
言い終わる前に、私は言葉を飲み込んだ。
というか、言葉が発せなかった。
「だったら今、十分に楽しんでおけばいいじゃねぇか。それでも俺は、が会いたいって言えば終わってからでも駆けつけるけどな」
「うっ、うっそだぁー。いくら景吾でもそんなめんどくさいことするわけ…」
そう言うと、景吾の唇が私の首元に吸い付いた。
「…っ」
そして囁いた。
「本当は嬉しいんだろ?」
「…う、嬉しいに決まってるじゃん!ちょっと景吾離れて…」
「が会えねぇの嫌って言ったんだろ」
「それはそうだけど…場所考えてよ…っ」
私の言葉もむなしく、エレベーターが不幸にも開いてしまった。
その先に見たものは…
「…えっ!?」
私が驚きの声を上げると、景吾も後ろを振り返った。
「…お前ら場所考えていちゃつきぃや」
そこにいたのは氷帝テニス部のレギュラー陣だった。
皆はそのままエレベーターに乗り込んだ。
「てめぇら…なんでこんなとこにいんだよ…」
「なんや?俺等だって買い物ぐらいするわなぁ」
「おい跡部…いちゃつくのはかまわねぇが場所考えろよ」
「あーもう景吾のばかばか!!」
これから暑い夏になりそうです。
*fin
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結咲柚子様から頂いた、景吾の暑中お見舞い夢でしたv
私も景吾様といちゃつきたい・・・・・
景吾みたいな人が街を歩いていたら、声かけられまくりですよきっと!!
むしろ私が声をかける!!(←興奮状態)
柚子様、素敵な暑中お見舞いありがとうございましたvv
これからもよろしくお願いします☆